後回しにすると損をする?フリーランス社長が税理士へ「すぐ報告すべき」重要事項チェックリスト

フリーランス社長 税理士へ共有すべきこと

経営者にとって税理士は、単に決算書を作るだけの存在ではありません。節税の機会を逃さず、税務調査での指摘リスクを最小限に抑えるためには、社内で起きた「変化」を適宜で共有することが不可欠です。

しかし、日々の業務に追われる中で、何をどのタイミングで伝えればよいのか迷うこともあるでしょう。今回は、税理士の視点から、経営者が必ず報告すべき重要事項をリスト化して詳しく解説します。

目次

会社の「形」と「ルール」が変わったときの報告事項

会社経営において、登記に関わる変更や役員の処遇変更は、税務署への届出期限が厳格に定められています。報告が遅れると、本来受けられたはずの税務上のメリットが受けられなくなる恐れがあります。

本店移転と社長の住所変更

会社の所在地が変わる「本店移転」はもちろん、社長個人の住所変更も必ず報告してください。法人税の納税地は本店所在地ですが、社長個人の住所は、会社から社長へ支払う給与の源泉徴収事務や法人税申告書へ記載が必要になります。また、登記事項でもあるため、登記の変更漏れがないように対応する必要があります。

役員報酬の改定と役員構成の変更

役員報酬は、原則として「期首から3ヶ月以内」に改定しなければなりません。これを超えて変更したり、年度の途中で増減させたりすると、増額した分が経費(損金)として認められない「定期同額給与」のルールに抵触します。また、役員報酬額を変更する場合、株主総会等の一定の機関で報酬額を決議し、議事録を保管する義務もあります。

新たに役員を迎え入れたり、退任したりする場合も、源泉徴収事務や役員退職金の準備に関わるため、決定した段階で共有が必要です。

事業目的の追加と資本金の増資

新事業を始める場合、定款の事業目的に該当するかどうかを確認する必要がらいます。無い場合は、定款変更が必要です。定款変更する場合は、株主総会での決議や変更登記が必要です。

また、増資によって資本金が変動すると、消費税の免税事業者としての判定に影響が出たり、住民税の金額に変更がでるなど、納税額が劇的に変わる可能性があるため、事前の相談が必須です。

資産と負債の動きに関する報告事項

お金が出ていく、あるいは入ってくるという事実は同じでも、その「性質」によって会計処理は大きく異なります。

固定資産の取得・売却・除却

パソコン、車両、機械装置など、1つあたり10万円以上のものを購入した際は必ず報告が必要です。特に30万円未満の資産であれば、中小企業の特例として一括で経費にできるケースがあります。事前に相談をもらえれば、10万円、20万円、30万円などのラインをもとに節税面のアドバイスができると思います。

また、注意が必要なのが「除却(捨てること)」です。古い機械を廃棄した際に報告を忘れると、帳簿上に資産が残り続け、無駄な償却費を計上したり、実態のない資産に対して固定資産税(償却資産税)を払い続けたりすることになります。

新規借入とリース契約の締結

銀行からの借入は、通帳を見れば把握できますが、契約書(返済予定表)の内容を共有することで、支払利息と元金返済の区分を正確に行えます。また、リース契約は「賃貸借処理」か「売買処理」かの判断が必要になるため、契約前に相談することで、資金繰りへの影響をシミュレーションできます。


労働環境と外部への支払いに関する報告事項

人に関する動きや、個人への支払いは、源泉所得税の徴収漏れという最も多いミスが発生しやすい領域です。

従業員の採用・退職と給与体系の変更

新しいスタッフを採用した際は、給与額だけでなく、通勤手当の内訳や扶養家族の有無を共有してください。これにより、毎月の源泉徴収額を正しく計算できます。また、退職者が出る場合も、住民税の徴収方法(普通徴収への切替など)の手続きが必要になります。

その他、社会保険関連の事務への影響も大きいので、ご自分で社会保険事務が難しい場合は、社会保険労務士に相談する必要があります。

個人事業主への支払い(源泉徴収が必要なもの)

個人事業主に対するデザイン料、原稿料、講師謝礼、士業(弁護士・司法書士など)への支払いは、支払額からあらかじめ源泉所得税を差し引いて国に納める義務があります。

注意点: > 支払先が個人である場合、たとえ「請求書に源泉税の記載がなくても」、支払う側には徴収義務があります。後から税務署に指摘されると、会社が肩代わりして納税しなければならないリスクがあるため、初めての相手に支払う際は事前に確認しましょう。

新規事業所の開設・移転

支店や営業所を新設した場合、地方税の「均等割」という税金が拠点ごとに発生します。また、複数の自治体に事業所がある場合は、利益をそれぞれの自治体に按分して申告する必要があるため、事務所を借りる契約をした段階で報告が必要です。


まとめ:税理士を「経営の軍師」にするために

税理士へ報告すべきことは、単なる事務作業ではありません。早めに共有することで、以下のようなメリットが得られます。

  1. 特例や制度を活用した「攻めの節税」ができる
  2. 税務調査で指摘されやすいポイントを事前に補強できる
  3. 資金繰りの見通しが立ち、経営の意思決定が早まる

まずは、今回ご紹介した項目を「何か動きがあったらすぐにチャットやメールを入れる」という習慣にしてみてください。

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