流山市は、つくばエクスプレス開業以降、人口増加が続く注目のエリアです。「母になるなら、流山市。」のキャッチフレーズで知られるように子育て世代からの人気が高く、それに伴い市内での創業・起業も増加しています。
流山おおたかの森エリアを中心に商業施設が発展し、ビジネスチャンスも広がる中、「流山市で会社を設立したい」「法人を作って事業を本格化させたい」と考える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、流山市で法人を設立する際の具体的な流れと、設立後に届出が必要な機関を詳しく解説します。税務署、千葉県税事務所、流山市役所など、届出先ごとの提出書類や期限を一覧でまとめていますので、会社設立を検討している方はぜひ参考にしてください。
法人設立の全体像|設立から届出完了までの流れ
法人設立は大きく分けて「設立準備」「登記」「届出」の3つのステップで進みます。全体の流れを把握しておくことで、スムーズに手続きを進めることができます。
設立準備の段階では、会社の基本事項を決定し、定款を作成します。会社名(商号)、本店所在地、事業目的、資本金、決算期、役員構成などを決める必要があります。流山市内に本店を置く場合は、流山市内の住所が登記上の本店所在地となります。
登記の段階では、法務局に設立登記を申請します。流山市の管轄は千葉地方法務局松戸支局です。登記が完了すると、法人として正式に成立します。登記完了後に取得できる登記事項証明書(登記簿謄本)は、その後の届出で必要になるため、複数部取得しておくとよいでしょう。
届出の段階では、税務署、県税事務所、市役所、年金事務所などに各種届出を行います。届出先ごとに提出書類や期限が異なるため、漏れがないよう注意が必要です。
株式会社と合同会社|どちらを選ぶべきか
法人設立を検討する際、まず決めるべきは会社の形態です。中小企業の場合、株式会社か合同会社のいずれかを選ぶケースがほとんどです。
株式会社は、最も一般的な会社形態であり、社会的な信用度が高いという特徴があります。取引先や金融機関からの信頼を重視する場合や、将来的に株式上場を目指す場合は株式会社が適しています。設立費用は、定款認証手数料(3万〜5万円)、登録免許税(15万円)、定款の収入印紙代(電子定款なら不要)などを合わせて、最低でも18万円程度が必要です。
合同会社は、2006年の会社法改正で新設された比較的新しい会社形態です。設立費用が安く、定款認証が不要なため、登録免許税6万円のみで設立できます。意思決定のスピードが速く、利益配分も自由に決められるため、少人数での起業やスタートアップに向いています。ただし、株式会社に比べると認知度が低く、取引先によっては信用面で不利になる可能性もあります。
流山市で創業する場合、事業の規模や将来の展望、取引先との関係などを考慮して選択することをおすすめします。判断に迷う場合は、税理士や司法書士に相談するとよいでしょう。
法人設立の具体的な手順
ステップ1:基本事項の決定
会社設立にあたって、まず以下の基本事項を決定します。
商号(会社名)は、同一住所に同一の商号がなければ自由に決められます。ただし、有名企業と紛らわしい名称や、法律で使用が制限されている文字は避ける必要があります。
本店所在地は、登記上の会社の住所です。自宅を本店にすることも可能ですが、賃貸物件の場合は契約上の制限がないか確認が必要です。
事業目的は、会社が行う事業内容を定款に記載するものです。将来行う可能性のある事業も含めて、ある程度幅広く記載しておくのが一般的です。
資本金は、1円から設立可能ですが、取引先や金融機関からの信用、許認可の要件などを考慮して決定します。創業融資を受ける場合、自己資金(資本金)の額が審査に影響することもあります。1円では登録免許税等の設立費用を賄うこともできないため、現実的に運営に必要な金額をもとに決定するのがよいでしょう。
決算期は、事業年度の終了月を決めます。設立月から1年後を決算期にするケースが多いですが、繁忙期を避けるなど事業の特性に合わせて決めることも重要です。
ステップ2:定款の作成と認証
定款は会社の基本ルールを定めた文書であり、「会社の憲法」とも呼ばれます。商号、本店所在地、事業目的、発行可能株式総数、役員に関する事項などを記載します。
株式会社の場合、作成した定款は公証役場で認証を受ける必要があります。流山市に本店を置く会社の場合、千葉県内の公証役場であればどこでも認証を受けられます。松戸または柏の公証役場が最寄りとなるケースが多いでしょう。
定款認証の手数料は、資本金の額によって異なります。紙の定款には収入印紙4万円が必要ですが、電子定款であれば収入印紙は不要です。
合同会社の場合は、定款の認証は不要です。定款を作成するだけで次のステップに進めるため、費用と手間を抑えることができます。
ステップ3:資本金の払い込み
定款認証後(合同会社は定款作成後)、発起人の個人口座に資本金を払い込みます。この時点ではまだ法人口座は開設できないため、発起人代表の個人口座を使用します。
払い込みが完了したら、通帳のコピー(表紙、1ページ目、払い込みが記載されたページ)を取り、払込証明書を作成します。この書類は登記申請時に必要となります。
ステップ4:登記申請
必要書類が揃ったら、法務局に設立登記を申請します。流山市の管轄は千葉地方法務局(千葉市)です。柏や松戸にも法務局の支局がありますが、法人設立登記には対応しておりません。
登記申請に必要な書類は、設立登記申請書、定款、発起人の同意書、設立時取締役の就任承諾書、払込証明書、印鑑届出書などです。株式会社の場合は登録免許税として15万円~(資本金の0.7%、ただし最低15万円)、合同会社の場合は6万円~(資本金の0.7%、ただし最低6万円)が必要です。
登記申請から完了までは、数日〜10日程度かかります。登記完了後、登記事項証明書(登記簿謄本)と印鑑証明書を取得しておきましょう。これらは銀行口座開設や各種届出で必要になります。
流山市で法人設立後に届出が必要な届出先一覧
法人が設立したら、税務関係、社会保険関係の届出を行う必要があります。届出先と提出書類、期限を一覧でまとめます。税務関連の届出は、国(税務署)だけではなく、県(千葉県)、市(流山市)の3カ所すべてに提出する必要があります。
税務署(松戸税務署)への届出
流山市に本店を置く法人の管轄税務署は松戸税務署です。
法人設立届出書は、設立日から2ヶ月以内に提出します。添付書類として定款の写しが必要です。
青色申告の承認申請書は、設立日から3ヶ月を経過した日と、最初の事業年度終了日のいずれか早い日の前日までに提出します。青色申告を選択すると、欠損金の繰越控除や少額減価償却資産の特例など、様々な税務上のメリットを受けられます。設立後すぐに提出することをおすすめします。
給与支払事務所等の開設届出書は、給与の支払いを開始する日から1ヶ月以内に提出します。役員報酬や従業員への給与を支払う場合は必ず届出が必要です。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書は、給与の支給人員が常時10人未満の場合に提出できます。通常、源泉所得税は翌月10日までに納付する必要がありますが、この特例を受けると年2回(1月と7月)の納付にまとめることができます。提出期限は特にありませんが、届出の翌月に支払う給与から適用されるため、早めに提出しておくとよいでしょう。
千葉県税事務所(松戸県税事務所)への届出
千葉県への届出先は松戸県税事務所です。
法人設立等届出書(法人の設立等報告書)は、設立日から1ヶ月以内に提出します。添付書類として登記事項証明書(登記簿謄本)と定款の写しが必要です。この届出により、法人県民税と法人事業税の申告・納付を行うことになります。
流山市役所への届出
流山市への届出先は流山市役所財政部市民税課です。
法人設立届出書(法人設立・異動申告書)は、設立後速やかに提出します(明確な期限の規定はありませんが、できるだけ早く届け出ることが望ましいです)。添付書類として登記事項証明書(登記簿謄本)と定款の写しが必要です。
届出書類と提出期限の一覧表
届出先と書類名、提出期限を整理すると以下のようになります。
| 提出先 | 届出書類名 | 提出期限 |
| 松戸税務署 | 給与支払事務所等の開設届出書 | 給与支払開始から1ヶ月以内 |
| 法人設立届出書 | 設立から2ヶ月以内 | |
| 青色申告の承認申請書 | 設立から3ヶ月以内(または最初の事業年度終了の日の前日のいずれか早い日) | |
| 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 期限なし (提出の翌月から適用) | |
| 松戸県税事務所 | 法人設立等届出書 | 設立から1ヶ月以内 |
| 流山市役所 | 法人設立・異動申告書 | 速やかに |
社長に報酬を支給したり、従業員を雇用する場合は、上記に加えて年金事務所への届出(健康保険・厚生年金保険新規適用届、被保険者資格取得届など)、労働基準監督署への届出(労働保険関係成立届など ※役員のみの場合は不要)、ハローワークへの届出(雇用保険適用事業所設置届、雇用保険被保険者資格取得届など ※役員のみの場合は不要))も必要になります。
freee・マネーフォワードを活用した設立と届出
最近は、クラウドサービスを活用して会社設立や届出の手続きを効率化することができます。
freee会社設立やマネーフォワード会社設立などのサービスを利用すると、画面の案内に従って必要事項を入力するだけで、定款や登記申請書類、各種届出書類を作成できます。電子定款にも対応しているため、収入印紙代4万円を節約することも可能です。
設立後の会計処理についても、freee会計やマネーフォワードクラウド会計などのクラウド会計ソフトを導入することで、経理業務を効率化できます。銀行口座やクレジットカードとの連携により、取引データを自動で取り込み、仕訳の手間を大幅に削減できます。
法人設立を税理士に依頼するメリット
法人設立の手続きは自分で行うことも可能ですが、税理士に依頼することで様々なメリットがあります。
設立時の判断をサポートしてもらえる点が大きなメリットです。資本金の額、決算期の設定、役員報酬の決め方など、設立時の判断が将来の税負担や資金繰りに影響することがあります。税理士のアドバイスを受けながら決定することで、税務上有利な形で会社をスタートできます。
税務署への届出書類の作成と提出を任せられる点も重要です。届出先ごとに書類の様式や添付書類が異なり、期限も様々です。税理士に依頼すれば、漏れなく正確に届出を行うことができます。
創業融資のサポートを受けられる点もメリットです。日本政策金融公庫の融資申請では、事業計画書の作成が重要になります。創業融資に強い税理士であれば、計画書の作成支援や面談対策など、融資成功に向けたサポートを受けられます。
まとめ
流山市で法人を設立する場合、登記は千葉地方法務局松戸支局、税務届出は松戸税務署・松戸県税事務所・流山市役所が届出先となります。届出書類と期限を把握し、漏れなく手続きを進めることが重要です。
設立費用は、株式会社で約18万円〜、合同会社で約6万円〜が目安です。事業の特性や将来の展望に合わせて、最適な会社形態を選択してください。
freeeやマネーフォワードなどのクラウドサービスを活用すれば、設立手続きや設立後の経理業務を効率化できます。クラウド会計に対応した税理士・会計事務所と連携することで、スムーズに事業をスタートできるでしょう。
